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こんばんは!

フットワークの軽い、スポーツ大好き宇都宮の税理士 永井です。

今日は個人事業で使用していた資産の引き継ぎ方について

個人から会社に対して、一般的な減価償却資産を”売却”によって引き継ぐ場合の取扱いについて、簡単にご紹介したいと思います。

(金曜日にアップしたつもりが、出来ておりませんでした(^-^;)

 

 

個人から資産を引き継ぐ方法

 

個人事業から法人成りした場合には、個人事業で使用していた資産をそのまま会社で引き継いで使うケースが多いかと思います。

これらの資産を会社に引き継ぐ場合、

税務の取扱いとしては、以下の①~③の方法のいずれかにより引き継ぐことになります。

①現物出資により引き継ぐ

②資産の売却により引き継ぐ

③個人から会社に賃貸する(レンタル)

 

ただし、①現物出資による資産の引継ぎは、手続きが煩雑になってしまうため、実務上はほとんど行われることは無いかなぁと。

私は今まで見たことはありません。

また、③のリースやレンタルも、個人の側で収入が生じてしまい確定申告をしなければなりません。

よって、多くのケースは②が現実的なのかなぁと思っております。

 

 

個人から資産を買い取る場合に注意すること

 

個人から減価償却資産を買い取る場合には、次のような点に注意が必要です。

 

1:売却した個人の所得税

原則的には、その買取時の時価により評価した金額で買い取る必要があります。

もし、個人事業の貸借対照表に計上されている帳簿価額よりも、買取時の時価の方が大きい場合、

その差額が売却益となってしまい、個人の方で課税されることになってしまいます。

一方、帳簿価額>買取価額の場合は、資産の購入価額の一部が費用にならない可能性も出てきてしまうため、注意が必要です。

 

そのため、買取金額の設定がポイントになります。

ちなみに、一般的な減価償却資産を会社に売却する場合、

その資産の売却は”事業所得”ではなく、個人所得税における”譲渡所得(総合課税)”に該当します。

引き継ぐ資産が棚卸資産の場合は”事業所得”になりますが、もし土地や建物などを譲渡するようであれば、”譲渡所得(分離課税)”となります。

売却する資産によって、個人所得税の取扱いが異なります。

 

2:買取価格の問題

上記の通り、原則的には、その買取時の時価により評価した金額で買い取る必要があります。

ただし、個人で売却益が出ると所得税が掛かってしまいます。

よって、売却益が生じないような買取金額にする必要があります。

 

例えば買い取る資産が、パソコンや自動車であれば、世間には中古品を扱うお店やインターネットサイトが多くありますので、同モデルで同様の使用期間を経た中古資産の時価を調べることが可能です。

そこで調べた時価が、帳簿価額と大きな乖離がないようであれば、帳簿価額で買い取ることを検討しても良いかと思います。

 

一般的に中古品として出回っていないような資産の場合、、この場合は顧問税理士にご相談いただければと思います。

 

なお、もし棚卸資産を会社に引き継ぐ場合には、原則としてその棚卸資産の販売価額で売却することになります。

ただし、販売価額の70%未満で譲渡すると、税務上は販売価額の70%相当額で譲渡したものとみなすというルールがあります。

よって、この規定も考慮に入れて買取金額を決定するのが良いかと思います。

 

3:耐用年数の問題

 

減価償却資産を買い取った会社側では、耐用年数をどうするかが問題となります。

まずは、その買取金額が30万円未満の場合には、次のような取扱いが考えられます。

10万円未満の資産等

→少額なもの(10万円未満のもの)や短期間しか使えないようなもの(使用可能期間が1年未満のもの)は、購入して実際に使用開始した年度において費用として計上することができます。

 

10万円〜20万円のもの

→取得価額が20万円未満の減価償却資産について、通常の減価償却の方法によらず、3年で均等償却することができます。

 

30万円未満の資産等

→資本金の額が1億円以下の中小企業者である青色申告法人に限っては、取得価額が30万円未満の減価償却資産についても、その取得した年度の費用とすることができます。
(ただし、その事業年度中に取得した30万円未満の少額減価償却資産の合計額が、300万円に達するまでのものに限られます)
もし少額減価償却資産の取扱いを受けられなくても、引き継いだ資産は中古品であると思いますので、耐用年数を決めるに当たって、新品よりも短い期間で償却(費用化)することができます。
中古資産の耐用年数の決め方には、原則法と簡便法がありますが、簡便法の場合の耐用年数は次のような算式で計算します。

 

 

事業用資産以外で会社に引き継ぐもの

 

個人事業から法人成りした場合、今まで個人事業で行っていた売上や契約について、「何を引き継ぐべきか」「どこまで引き継げるのか」で悩んでしまう部分があるかと思います。

ここでは、上記以外で会社として引き継ぐものなのかどうかを見ていきたいなぁと

 

1:売掛金や買掛金、未払金などの債権債務

基本的に、個人事業の時の売上や仕入れに係るものであれば、あくまでも個人事業の範囲内で完結させますので、新しく作った会社に引き継ぐ必要はありません。

従来通り、個人事業の口座に入金してもらったり、個人事業のお金から支払いをしたりします。

ただし、法人設立前の売上について、法人を設立してから請求書を出すような場合もあるかもしれません。

その場合も、あくまで個人事業としての売上になりますので、注意が必要です。

もちろん、個人事業としての活動については、その年分について確定申告が必要になります。

 

2:賃貸借契約

事務所を賃借している場合には、改めて会社と大家さんとの間で、賃貸借契約を結び直す必要が出てきます。

法人契約については保証金などについて特別な条件が付されている場合があるかもしれません。

また、そもそも会社との契約を認めていない物件もないとは言い切れません。

法人成りをする前に、忘れないように事前に確認しておきましょう。

 

もしパソコンなどの事業用資産をリースにより使用している場合、

リース会社との間で、契約者変更について相談しておく必要があります。

 

3:敷金や保証金など

事務所を賃借している場合、

その契約者を法人に変更した場合には、大家さんに預けていた敷金を会社に引き継ぐことになるかもしれません。

契約の方法によりますが、もし法人との契約に変わった後でも、従前と同額の敷金を預け入れたままにしておく場合には、会社から個人に対して、その引き継ぐ敷金に相当する金額を払い込んで、会社の貸借対照表に敷金を計上することになります。

 

4:官公庁の許認可手続きなど

仕事によっては、許認可が必要な手続きがあります。

しかし、これは法人成りしても自動で引き継ぐことにはなりません。

よって、改めて法人として手続きを行うことがほとんどではないかなぁと思っております。

 

5:青色申告の承認申請

税務上の手続きも上記と同じで、個人事業の手続きは法人には引き継がれません。

従って、法人設立届と合わせて、青色申告の承認申請も改めて行う必要があります。

 

 

一日一新

 

サントリーBOSS  レモンティー

チビの運動会の準備

エアレジの設定

 

 

編集後記

 

今日は、午前中はお客様とZoomで打ち合わせ、その後は決算作業などなど

午後は急遽お客様からご相談があり、お客様のご訪問

夜はチビの運動会の準備と人事労務freeeの勉強

 

チビの運動会が楽しみで仕方ないです。

夕方からは宇都宮高校のOB税理士会があるので、こちらも楽しみで仕方ありません。

それにしても人事労務freeeの勉強が難しすぎます。

来週は時間を見つけて、受験したいと思います。