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こんばんは!
フットワークの軽い、スポーツ大好き宇都宮の税理士 永井です。
今日は株主資本について
最近、お客様からご質問をいただくので、ザックリまとめてみました。
決算書を作ったり確認をしたりするときに理解しておくべきことの1つになります。
株主資本は経理に関わる人や会社の経営者でも混同しがちではないかなぁと。
株主資本とは
株主資本とは、企業の資産や負債、資本などの状況を説明するための書類である貸借対照表に記される区分の1つです。
記されるのは純資産の部であり、株主が保有する資産を指します。
株式会社は、会社を経営するための資金を集めるために株式を発行し、出資を受けます。
株主資本とは、この出資金額に事業で得た金額を足したものです。
株主資本は会社の資産ではありますが、持ち分が株主であることが特徴です。
自己資本とは、株主資本にその他の包括利益累計額を加えたものです。
その他の包括利益累計額とは、評価・換算差額等を読み替えたものであり、繰延ヘッジ損益や為替換算調整勘定等、その他有価証券評価差額金などが該当します。
これらは、返済の義務がなく、時期によって額が変化します。
自己資本は会社が持っている資産の「含み損益」と理解するといいでしょう。
会社が順調だと増え、経営が不安定だと減っていきます。
純資産と株式資本の違いについて見ていきましょう
純資産とは、会社が保有する自己資本のことです。
貸借対照表の資産の総額から負債の総額を引いた差額であり、返済不要の資産と言い換えることができます。
純資産を見れば、会社が返済不要の資産をどのくらい持っているかが一目瞭然となります。
純資産の内訳は以下のとおりです。
①株主資本 ②その他の包括利益累計額 ③新株予約権
つまり、株主資本も自己資本も大きく括れば純資産の一部と解釈することができます。
ただし、純資産に含まれる新株予約権とは、会社が発行する新しい株を購入する権利です。
こちらは、株主の持ち分とは異なります。
そのため、純資産の中に株主資本は含まれますが、純資産と株主資本は一致はしないのです。
株主資本の構成要素
株主資本は以下の①~④から構成されます。
①資本金
資本金とは、会社が円滑に事業を行うことを目的として株主が出資したお金です。
この出資は株券を購入することで行います。
また、会社は株式を発行したことにより、株主より払い込まれる金額の2分の1以上を資本金とする必要があります。
つまり、株式の発行をすることで得たお金の最低でも半額は資本金にしか使うことはできません。
残りは資本準備金として計上します。
この資本金は、銀行などから借りる融資とは異なり返済義務はありません。
そのため、資本金は会社の信用度を測る物差しとしても用いられることがあります。
②資本剰余金
資本剰余金とは、資本準備金と株式の発行・増資・減資・社債の発行や償還・借入金の借入・返済などといった”資本取引”から発生する資金のことです。
資本取引から発生した資金を、その他資本剰余金といいます。
その他資本剰余金の中には、返済が必要な資金も含まれるので覚えておきましょう。
③利益剰余金
一般的な利益剰余金とは、企業が生み出した利益を積み立てたお金全般を指します。
しかし、株主資本における利益剰余金とは、会社が生み出した利益の中から、配当などによって支出されなかった残額を指します。
会社が行う取引には、”資本取引”と”事業運営の損益取引”があります。
この2つは明確に区別しなければなりません。
そのため、利益剰余金という項目が独立しており、利益準備金とその他利益剰余金の2つの項目があります。
この利益余剰金は、会社の利益が増えれば増加し、赤字決済や過剰配当などがあればどんどん減っていきます。
利益余剰金は家計でいう貯蓄のようなものです。
こちらがどんどん減っていき、マイナスになると会社が危ないと判断されてしまいます。
④自己株式
自己株式とは、会社が買取った自社の株を指します。
金庫株という別名もあります。
2001年の法改正により、自己株式の無制限・無期限の保有が認められるようになりました。
ただし、インサイダー取引などを防ぐために、一日に注文できる数量、及び値段などに制限が設けられています。
項目としては、純資産の部の株主資本から控除して表示する株主資本のマイナス項目となります。
株主資本等変動計算書って何?
株主資本等変動計算書とは決算書の一種であり、2006年度より財務諸表の一つとして導入されました。
貸借対照表から、純資産を抜き出してその変動を分かりやすくまとめたものです。
これにより、年度事業におけるお金の動きやその理由が分かりやすくなりました。
株主資本等変動計画書はすべての会社に作成義務があり、株式会社以外では、社員資本等変動計算書という名前になります。
株主資本等変動計算書を見れば、会社がどのくらいの利益や損失を出したか、また、利益余剰金がどれだけ積み立てられたかが分かります。
つまり、会社が儲かっているのか損をしているのかが分かるということです。
また、剰余金の配当という項目を見れば、会計期間中に実際に株主に支払われた金額も分かります。
会社が利益を得た場合、その利益をどのように使ったかも分かるということです。
これにより、粉飾決済など決済の不正を防ぐのと同時に、株主に対してどのくらい適正に会社が運営されているか示すことができます。
もちろん、会社が安定しているのか不安定かを判断する材料にもなります。
一日一新
白鴎大学
編集後記
今日は午前中はお客様の月次チェック、その後お客様とのお打ち合わせ
午後はお客様の会計ソフトの導入とお打ち合わせ
夜は創業塾
今日は創業塾で30分くらい話す時間をいただくことができました。
人前で話すというのは、本当に勉強になります。
これからも話す機会がある時はチャンスだと思ってどんどんやっていきたいと思います。
話すときは緊張するので、まだ利き手のことを考えられていないのですが。。
ここでビビッてやらないのは損だなぁと。